対談 紙について話そう。 「本」について-1



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エディトリアルというジャンルでそれぞれに活躍する
デザイナーたちが、見本帖で出会いました。
実はほぼ初対面のふたり。今回は「本」について話し合います。



※PAPER'Sをご覧になった方は続きからどうぞ



有山:祖父江さんもやっぱりそうだと思うんですけど、エディトリアルの人って、話しているとどんどん本文の話になっていっちゃうんですよね。ベースは本文紙じゃないですか、僕らは。

祖父江:そうなんですよ。外側はあとまわしですね。


有山:まず本文紙を決めて、それに合わせて周りを決めていく。外側から先になんとなく「こういう感じ」っていうのがたまにありますけど、基本は中をつくってからです。フォーム設計をして、というのと一緒ですからね。


祖父江:本って一番触っている時間が多いのは本文ですものね。この内容に合うのはこの紙かな、というのがまずあって、それからやっと外に広げて使う用紙を考えていきますよね。

有山:そうですよね、基本はそうです。


バーコード問題。


祖父江:外まわりだと、最近は紙らしい感じの、素材感まるだしなものやデコボコしたものの人気が高いような気がするんですけど、どうですか?


有山:例えばどんな感じですか?
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祖父江:デコボコなものだとタントセレクトシリーズとか、あるいはレザック96オリヒメ羊毛紙とか。素材感ならファーストヴィンテージ。紙らしい表情をもっています。人工的でなくて、自然な風合いがある。この紙はつくるときに、テスト紙とかを見たりして、アドバイスさせてもらったんですよね。

有山ファーストヴィンテージは僕も使いますね。値段もおさえつつ、斤量もそろえてあるし。力が入っている感じがしないというか、「デザインしたぞ!」って感じにならないところもいい。それから、スーパーコントラストのスーパーブラックもよく使います。見返しとか本表紙とかに、そのまま使っちゃうことが多いですね。印刷するときはオペークか白で、紙を活かすように。あるいは黒を刷ったこともあります。あとはプライクもいつか使ってみたいなあ。表面がコーティングしてあって、今までにない質感ですよね。


祖父江プライクは気持ちいいですよね。憧れの紙です。


有山:逆に、いつも使ってみたいんだけど、どうしても使えないのが、リアクションみたいなキラキラした紙ですね。一回使ってみたいなと思うんだけど、ミニサンプルを見ては絶対無理だな、とそのまましまっちゃう(笑)。たまにはいつもと違う、ど派手なものを着たいっていう気持ちに近いですね。ちょっと鬱屈したところがあるんじゃないですか(笑)。


祖父江リアクションもいいですよね。ただ本って平たいから、リアクションのもつ偏光の効果が出にくいこともありますよね。服みたいに膨らんでいたり、締まったりするといいのにね。


有山:ただ最近はなかなか表紙に色紙が使えないんですよね、バーコードがあるから。基本は白系統の紙からスタートする考え方になっちゃってる。本来は、読み取れれば大丈夫なんですけどね。

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祖父江:そうそう。赤とか青とか、紙そのもののすごいきれいな色を使いたいと思っても、バーコードの部分に白が必要だから、色は印刷するしかないということが哀しいですよね。


有山:今は色紙は刷らないものになっちゃってますからね。バーコードの問題が少し解決されれば、もっと色紙を使う人が増えると思います。やっぱりブックデザインだと、色紙の可能性はすごく広いし。


祖父江:昔は、清原悦志さんたちが色紙に不透明なオペークインキを使って、不思議な存在感の本を多くつくってましたが、バーコード導入以降は見ることがなくなってしまいましたね。


有山:今はないですからね、ああいう質感が。


祖父江:僕は、本には内容に似合う形がもっといろいろあっていいと思うんです。だけど、どうしても値段やバーコード、流通の問題で、同じようなものにしかなっていかない。紙はいろいろあるのに、結局使えるのは一握りしかない。なんとか内容ごとにそれぞれの表情の本が出てきてほしいなあと思います。


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